転がるコメ

三笠フーズの例の事故コメの流通先が、全国で実に370社にものぼるという。そのリストをざっとみるとやはり三笠フーズが関西が本拠地のせいか、大阪･兵庫･京都など西の地方が圧倒的に多い。しかし東京や千葉の会社もある。そして目を引くのは老人保健施設などのいわゆる介護施設の給食の材料としての納入が多い点だ。給食を提供する施設は病院でも学校でもどこもいかにコストを安くしてメニューを充実するかに日夜心を砕いている。そのために根幹の材料である米類はとくにコストをシビアーにするだろう。少しでも安い米をと、三笠フーズに納入させていた施設も多かったのだろうが、とんだ結果になってしまった。
給食だけでなく、焼酎やあられ･せんべい･おこわなどのごく身近な米製品に多用されていることはとても不安を招く。しかも今回もっとも先頭にたって事態を収拾しなければいけない農林水産省の姿勢が実にふがいない。今回の転売先の発表もようやくのことだ。ここまできたら、全国の米穀業者をすべて徹底的に調べてもらいたいと思うのはみんなの願いだろう。その結果1000社にも2000社にも転売先がふくらもうと仕方ないことだ。後戻りはしないし、許されない。