風は南風

きょうは風が強かった。南風のため、強くてもそれほど寒くない。
帰りにホテルから駅に向かうと、南風がちょうど背中を押して、足が早く進む。
これがもし逆に駅からホテルに向かうと、向かい風で相当進みにくいだろう。
いま、日本はどこでも北風で向かい風が吹きまくっている。
風に煽られて、どこに進めばいいのかわからなくなっている。
イソップの「北風と太陽｣を思い出す。
人に着ている服を脱がせるには暖かい風や太陽の光を当てなければならないのだ。
いま人々に当たるべき太陽の光とはなんなのだろう。
安定した仕事や収入、決まったすみかや食事、つまり安らかな生活の保障ではないか。
精神的なその日暮らしはもうごめんだ。
まじめにこつこつとやっている人が報われているとはとてもいえない。
それでも人は黙々と今を生きている。明日はどうなるのだろうと不安におびえながら。
みんなしあわせになるべきだと思う。

この子は一足はやく、太陽の光をあびたようだ。